

帽子の印象や被り心地、そして品質を大きく左右するのが「素材」です。
ここでは帽子の土台となる帽体(ぼうたい)をはじめ、ウールフェルト、ファーフェルト、天然草素材、チュールなど、帽子に使われる主な材料の特徴と違いを詳しく解説いたします。
帽体とは、帽子の土台となる材料のことを指します。
夏物ではパナマやストロー、ケンマ草などの天然草を編み上げたもの、冬物ではウールフェルトやファーフェルトなどの圧縮素材が用いられます。
天然素材に加え、近年では紙素材や化学繊維を使用した帽体も流通しています。
編み方や網目の細かさ、原料の種類によって風合いや強度が異なり、石目編み・アジロ編み・変わり編みなど多様な名称があります。
フェルト帽体は、繊維に水分・熱・圧力を加えて摩擦させることで圧縮し、繊維の状態から一体化した帽体へと変化させます。
その後、染色工程を経て多彩なカラーが生まれます。
帽体は蒸気で伸縮させながら木型に成形しますが、伸縮には限界があるため、仕入れ段階で用途別に形が分かれています。
ウールフェルトは羊毛から作られる帽体素材です。
マットな質感で比較的硬さがあり、かっちりとした印象の帽子に仕上がります。
型入れ時に専用の糊で硬度を調整できるため、しっかりとしたフォルムを表現できます。
市場には中国製・ポーランド製・ブラジル製などが流通していますが、当店では風合い・発色・伸縮性に優れたポーランド製ウールフェルトを主に使用しております。
肉厚で型になじみやすく、型崩れしにくい点が特徴です。

ファーフェルトは、主にうさぎ毛を原料とした高級帽体素材です。
かつてはビーバー毛が主流でしたが、希少性の高さから現在はうさぎ毛が一般的です。
軽くしなやかで、蒸気とブラッシングにより美しい光沢が生まれます。
毛の長さや部位により、ベロア、ビーバー、アンテロープ、アマンダ、ファープレーンなどに分類され、それぞれ風合いや高級感が異なります。
ファーフェルトは伸縮性が低く、加工難易度が高い素材です。
無理に引き伸ばすと破損の恐れがあり、熟練の技術が求められます。
その繊細さこそが、上質な佇まいを生む理由でもあります。
ビーバー毛を使用した帽体は、特に希少で高級な素材です。
毛足が長く、深い光沢と滑らかな手触りが特徴で、独特の艶感は他素材では再現できません。
アニマル柄など特別な加工素材も存在し、コレクション性の高い帽体です。
アンゴラ(モヘア混)素材は、ふんわりとした柔らかさと保温性が魅力です。
軽やかで女性らしい印象の帽子に適しており、秋冬のエレガントなデザインに多く用いられます。
チュールは帽子の装飾やウェディングハットのベールに使用される素材です。
目の細かさや硬さ、模様の有無により印象が大きく変わります。
黒・白を中心に、カラー染色も可能です。
オーダーメイド制作では、作品イメージに合わせて最適なチュールをご提案いたします。
※チュールの種類によっては、品薄であったり廃盤になっているものもございますので、その都度ご相談ください。
ここでは元からの色のチュールを一部抜粋しましたが、当店では、白から自在に染め上げることも可能です。
帽子の素材は、見た目だけでなく、被り心地や耐久性、経年変化にまで影響します。
素材の違いを知ることで、より自分に合った帽子選びが可能になります。
ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。